乳がんは、7〜8年かけてゆっくりと増殖していきます。年齢的に見ると、20代から発症しはじめ、30代と増えていき、40代後半から50代前半でピークを迎えます。
現在では、医療技術の発達により、大切な乳房に痕が残らないような手術も可能となっています。しかし、それを放置しておけば、大切な乳房を全部摘出しなければならないことはおろか、乳腺の外までがん細胞が増殖し、血液やリンパ管を通って全身に広がります。早期に発見すれば、90%以上が治ると言われています。月に一度は、自己検診を行いましょう。
超音波検査やマンモグラフィ検査で乳がんが疑われるとき、確定診断をするために「細胞診」、「組織診」と呼ばれる診断方法で検査します。「組織診」には、「針生検(CNB)」、「マンモトーム生検」、「外科的生検」の3つの検査があります。
乳がんの治療は、がんの進み具合によって、いろいろな方法が選ばれます。
現在では、医学技術の発達により、胸の筋肉を残して乳房とリンパ節をとる手術『胸筋温存乳房切除術』や、しこりの部分だけを切除して乳房をできるだけ残す手術『乳房温存療法』が主流になっています。
なお、乳房温存療法では、しこりを切除したあと、残した乳腺に放射線照射を行います。
乳がんはしこりが小さくても、すでにわきの下のリンパ節やほかの臓器に転移していることがあります。そこで、転移の疑いがあるときには術後の再発を予防するために、抗がん剤によって治療を行います。
また、抗がん剤で手術前にがんのしこりを小さくして乳房温存術を可能にする治療にも用いられます。